住まいを調査し、構造計算によって耐震性を評価することを『耐震診断』といいます。
住宅の耐震性は、「評点」と呼ばれる数値で示され、一般財団法人日本建築防災協会発行の、「2012年改訂版 木造住宅の耐震診断と補強方法」の沿って算出、評価されます。
評点は、建築基準法が想定している大地震動に対して、損傷はあるがかろうじて倒壊はしないという耐震性を「1.0」としています。
数値は大きいほど耐震性は高くなり、小さいと耐震性は低くなります。
- 耐震指標・評点
- 1.0以上
- 大地震に対して建物の倒壊・崩壊の危険性が低い
- 0.7以上~1.0未満
- 大地震に対して建物の倒壊・崩壊の危険性がある
- 0.7未満
- 大地震に対して建物の倒壊・崩壊の危険性が高い
- 1.0以上
耐震診断の結果に基づき、どのように補強すればいいか計画し、改修・補強工事を行うことを、『耐震改修』、『耐震補強』といいます。
耐震補強の方法には、次のようなものがあります。
- 筋交いを増やす
- 筋交い接合部を補強する
- 壁(耐力壁)を増やす
- 柱頭部・柱脚部の接合部を補強する
- 基礎をRC造(鉄筋コンクリート造)に補強する
- 間取りに対する壁の偏在を矯正する
- 床面・屋根面の水平剛性を高める
- 劣化している場所を補修する
など・・・
既存住宅は、当時の建築基準法に沿って建てているので、そのときは適合建築物ですが、その後の法改正によって、新たな建築基準法に適合しない『不適格建築物』となります。
違法建築は、建てた時点で建築基準法に適合していない建物であり、不適格建築物とは違います。
また、適合建築物であっても、その後の増改築で不適格建築物となることもあります。
増改築を行う場合、原則、既存部分(現に建っている建築物の部分)も建築基準法に沿って適合させる必要があります。
しかし、増改築の規模、方法により、現状(既存不適格)のままにしておくこともできます。
増改築の際は、設計者・施工業者に確認をしてください。