耐震とは、地震などの揺れに対して建物の耐久性を高くした構造のことです。建物を設計する場合、震度6強程度の地震に対して、建物は損傷するものの、倒壊することがないようにします。これにより人命を保護します。
一般の住宅設計では、1等級の耐震等級で設計します。1等級とは、建築基準法に定める最低限の耐震性能です。そのほかに2等級・3等級があり、それぞれ、建築基準法に定める強度の1.25倍、1.5倍と、等級の数値が大きくなるほど、耐震性も大きくなります。
旧耐震基準とは、1981年5月以前(昭和56年)に建築確認申請した建物に定められた耐震基準です。これは中地震(M5~7)を想定しており、震度5強程度の揺れでも倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な耐震基準です。
新耐震基準では、1981年6月以降(昭和56年)に建築確認申請した建物に定められたもので、巨大地震(M8~)を想定しています。震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような耐震基準です。
よく「昭和56年以降の竣工なら新耐震」など、間違った捉え方をしている方がいますが、建築確認申請が1981年(昭和56年)5月に出されて、1982年(昭和57年)に竣工した建物は「旧耐震」です。
リフォームといえば、壁紙を貼り替える、和室を洋間に、浴槽をユニットバスに替えるなど・・・
しかし最近では、断熱性を高め省エネ性能を改善、バリアフリー化など高齢化への対応、ライフスタイルの変化に合わせた機能向上など、修復以外を目的としたリフォームが増えてきています。
その中の一つとして、『耐震』をテーマとするリフォームが注目されています。
耐震が注目されている背景には、2011年3月の東日本大震災以外に、
- 国内の空き家が13%と増加し、住宅の建て替え(スクラップ&ビルド)から、良質な住宅(ストック)を確保するために、国の政策が転換された
- 大規模な災害への対策として、社会インフラとしての耐震性が求められている
- 木材資源を浪費(消費)することへの反省と、サスティナブル(持続可能)な資産として、強く意識されるようになってきている
- 住む人の長寿命化に伴い、住まいにも長寿命化志向が高まってきている
今では、模様替えのレベルを超えたリフォームが求められてきています。